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  • 執筆者の写真CRZKNY

dog on death制作方法について

更新日:2022年4月16日




今年の1月4日からスタートさせたサイドプロジェクト「dog on death」(以下DOD)もようやく101曲揃ったので、珍しくDTMしてる人向け(もしくは興味ある人向け)に具体的な制作方法についての記事を書いてみました。



 


DODっていうのは簡単にいうと「93、4年頃から現在までの偽のテクノレーベルの歴史を作る」っていうサイドプロジェクトだったんですが、ほとんどの人は興味ないと思うので詳しく知りたい方はこちらの記事を参照ってことで。


 


ということで、DODの中盤くらいまで(dog-001~dog056)は、ハード機器を使わずにパソコン上でどれだけ90’s~00’sのアナログっぽい雰囲気をエミュレートできるかやってみた、その制作方法をまずは紹介しようかなと。


とはいえ、言い訳じゃないんですが、今回の内容はあくまでも「ぽい」「雰囲気」を年末年始の1週間くらいで試行錯誤して急場で仕上げた制作方法なので、ハード機材至上主義!って人からしたらどこが?!って内容だと思うので、あくまで手探り且つ「ぽいかなー?」ってレベルのものだと一応前置きしておきます。


なので ”こいつはそうなんだね” くらいの軽い感じで読んでもらえれば。


 

DAW編


まず肝心のDAWですが、今回使用したのは、Ableton Liveってソフトです。直感的な操作~云々は、どれだけ各DAWソフトの操作が簡単になってても各人合う合わないはあると思うんで、とりあえず無料でデモDLできるので各自入れてみて判断てことで。


私はLive以外ほぼほぼ使ったことないんでこのソフトベースで説明しますが、どのDAW使っても出来る簡単な方法でしか制作してないんで、すでに他のソフト使ってるよって人は各自使用してるソフトに置き換えてやってみてください。


 

では、さっそく身も蓋もないこというと、今回のプロジェクトはフリーのvstとLive標準装備のエフェクトで大概の処理をして、有料ソフトも普通に使用して、って感じで制作しました。まぁ、CRZKNY名義のメインプロジェクトも同じような感じでやってます。


<無料編>


ということでまずはフリーのプラグインです。


 

なんといってもみんな大好きTR-909のキック音ということで、Synsonicって会社が出してるフリーソフトBD-909です。このプラグインは909のキックのみのソフトです。気軽に909の音色々いじれるので、今回、前半20作品くらいまではサンプルベースでやるより909のキック弄りに時間かけた感じですね。Liveにも最初から909 core kitっていうのが付属してるので面倒な人はそれ使うとかでもいいと思います。実際909ハットとかはcore kitの音を加工して使用しました。



そして、キックを加工したり歪ませるために多用したのがmackityとmackEQというvst。このAirwindowsのvstは他にも数多くのすごく良いvstをリリースしてるので、詰め合わせみたいなのを一気にDLしても良いですね。寄付もできます。


mackityは、90年代~00年代のテクノアーティストがよく使ってた旧式のMACKIEに過入力させた音、あの過入力をエミュレートしたvstで、これ通すとどこまでも果てしなくアナログ感ある潰れ方してくれます。操作自体もフェーダー1個~3個くらいで、シンプルですけど、例えば今回の趣旨とは外れますがオールドスクールなガバキックとか秒で作れます。mackEQも同じようなもんですね。


これもアナログ卓に突っ込んだ音が出ます。これは主にキック、シンセ、あとマスターにもかけました。キックの場合は序盤のほうの曲ではmackityで潰したキックに二重でかけてみたりとかしてます。いい感じに潰れてペラくなります。


マスターでかける場合は、それぞれのパーツがいい具合に分離しないというかくっつく感じで、ま、原理はよくわかりませんが要は昔の音っぽくなってくれました。


 

あとは本当にLive標準装備な、Auto Filter、EightEQ、Complessor、Reverbとか本当に基本的なものを、各トラックに使用したりしなかったり。あとは各トラック、ボリュームを小さくしておいて、マスターで音を調節してました。


ちなみに、マスタリングするために一旦書き出したりとかはせず、そのままマスターでUtilityでゲイン上げて(音割れしない程度まで)音大きくして書き出して完了にしてます。


 

<サンプルパック>

自分で買ったりしたサンプル集が実はけっこうあるんですが、今回は一から準備しようと思い色々検索したところ、Loopcloudってspliceみたいなサンプルサイトで無料プランで登録すると、お試し期間中にサンプル100個まで無料でもらえるという技を知ったので早速登録、サイトに登録してあるサンプルパックから使えそうなサンプルとかをDLしました。個人的にはラインナップがspliceより好みでした。もちろん有料プランで使い続けるのもアリだと思います。


サンプルの使用は中盤以降から徐々に使用していった感じですね。サンプルを使用する際も、まんまループとかは使わずバラして加工しつつ使用ました。


とはいえ、1からオリジナルでなきゃ、みたいな考えが皆無なんでサンプルそのまんまだろうがなんだろうが、良いサンプルがあって曲にハマって出来た曲が良けりゃそれでいいだろ、的な。


なので、個人的には、良い音のサンプルがあればがっつり使用するのがオススメです。


 

ここまでが無料ですね。これだけでも十分作れますし、標準のソフトで細かく設定すれば有料ソフトと同じような効果できるんですけど、私は、ものすごくめんどくさがり且つ技術に疎い、そして時間がかかるのが苦手なんです。


私は曲を作るのが早いほうなんですが(1曲辺り最短15分、最長3時間程度)、それにしても、曲作るのがめんどくさくて仕方がない。


出来るだけ「最短距離で一気に作れるのがベスト」という制作方法でこの10何年やってきた人間なので、楽ができるならそれに越したことはない。例えるならば、寒空の中もしくは猛暑の中、しんどい思いしながら2駅歩くよりタクシー乗る派です。


ということで有料ソフトに対しては、めちゃめちゃフリーソフトで頑張ればできるかもしれないけど、あとちょっとの細かい設定したり頑張って良い音出すのがめんどくさい私のような人間にとっては、必要経費って感じですね。


 

<有料編>


そういうわけで、ここからは悲しいお知らせの有料ソフト編です。



 


<ソフトシンセ>


シンセなんですが、実機で鳴らせばetc..って感じですが、とりあえず、ソフトシンセです。まぁ、シンセの実機とか、もう20年くらい所有してないですし。


Monark、MINI MOOGのエミュレートらしいです。もちろん私はMINI MOOGの実物なんて見たことも触ったこともないです。ちなみに機材全般に対しての興味もそんなにありません。良い音出れば良いなーくらいの、アレな人間です。


話を戻しますと、Pro-1エミュレートしたu-heのReproとかもデモ版で試してみたんですが、Monarkの方がなんか個人的に好みだったのでこちらを使用しました。


あとは

なんかを使いました。


 

<音の加工>


AKAI950に突っ込んだ音をエミュレートしてくれる(サンプラーじゃないです、音をそういう質感にしてくれる機能のみ。TAL-AudioのDacみたいな感じ)vst。950とかにサンプリングすると中の回路でサチュレーションかかった感じになったり、非常に良い質感のサウンドになるんですが、そのエミュレートソフトですね。これはcoderedFreeと同じく多用しました。ちょっと音がクリア過ぎるなと思ったらとりあえずかけてみて、適当にノブをいじったりして良い感じの潰れ方とかざらつき感を探してました。


これはカセットに録音したような音にしてくれるvstです。DKMVの連作アルバム作る時は、実際にカセットに録音したりしてたんですが、そりゃハード機材に通したらそういう音になるに決まってるじゃないですか。ですが、今回はそういう音をいかにPCで再現するかって企画だったのでこちらのソフトを使用しました。色々設定変えれる割には操作方法がわかりやすくていいかなと。TR-60くらいまではマスターにBYPASSモードで刺してました。


これはシンセに限らずキックとかにも使用しましたが、広がりすぎた音を絞ったりアタック弱めたり強めたりしました。とはいえ探せばトランジェントソフトもフリーでいっぱいネット上にあるので、それで十分かもしれないんですが、今回の企画では楽さを最重視した(毎日曲を作らなきゃいけなかった)ので、有償のこれで。


 

<シーケンス>


有料コーナーでいきなりなんですが、これは無料です。上位版で有料版もあります。所謂ステップシーケンサーってやつですね。90’s~00’sの曲もこの手のシーケンサーでシンセを鳴らしてるという情報を海外の音楽スレで見たので参考にしてやってみたんですが、あの頃のシンセリフぽくなったかなと。


あとはソフトシンセを鳴らしたものをサンプリングして、Live標準のSimplerに突っ込んで上記のステップシーケンサーで鳴らしてみたり。これも手引きやMIDIとは違って「あの頃感」が増して良い感じでした。



 


そんなこんなで、下準備が整ったらあとは、あの頃のサウンドこんな感じだった気がする~と妄想しながら作っていくと、なんと、1~2時間で「dog on death」シリーズの完成です。Jukeだともっと早く作れるんですけど、なにせテクノって慣れてないもので。



え?制作方法は??



とお思いの読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、あとはサンプルを賽の河原のように一音づつ置いてくとか、それをvstで加工したりとか、その程度のことしかしてません。なので、特殊なTips的なことを教えようにも、ないというか。。。

 


といった感じで、上記の作り方をちょこちょこ変えながら、60番台くらいまでは音潰してたりしたんですが、このプロジェクトの偽歴史カタログ的には60番台以降は2000年以降にあたるので音は徐々にクリアにしていきました。


あと制作の下準備としては、一応作る前にターゲットの時代の曲を流し続けて音質の「雰囲気」をつかめたなと思ったら、あとは思い込みで作りました。完全エミュレートにこだわると、それはそれで沼、下手したらやはり実機で云々、、ってなるので、適度に勘違いしていって、ありそうでないけどありそう的な音が出来たらいいなと思って作ったりしてました。かねがねうまくいったなと自分では思ってます。



て言っても、序盤に書いたように、音処理に詳しい人からしたら、なんだそのやり方全然なってねー、って方法だとは思うので、それ間違ってるよとかもっとこうしたらいいよとかあれば、是非、俺以外の人に教えてあげてください☺️



というわけで、DTM初心者の方はあくまで手探り状態でやった感じだと思って話半分で、よかったらチャレンジしてもらえたらー。



 


あと、よく「音楽作るのにはやはりセンスが~」とか言いますが、センスもクソも、音楽多少齧ってる人間はこのくらいのクオリティのものは2時間くらいあれば誰でも作れると思うので、初心者の方以外でも、興味あれば、良かったらメインの何かの片手間にでも試してみてください。



 


そして、ここからが重要なんですが


「ソフトがどうとか打ち込みがどうとか面倒くさいことはしたくない、だがこんな感じの曲は作りたい!」という、(私のような)究極にめんどくさがりな人に朗報です。


dog on deathシリーズのサンプルパックを明日4月15日に販売します

👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏



TR-001~TR-101までの101曲分


2.7GB弱、1000弱のサンプル収録


価格破壊の、お値段、


なんと、3500円。



これさえあればdog on deathサウンド、雰囲気(似非)90’s~00’sライクな曲が音処理せずに即自分の曲で使えます。


 


よく、アーティストが売ってるサンプルパックって、買ってはみたものの、自分の曲で使ってる音とか入ってなくないすか!?というなんだろう、若干ケチくさい感じがありますが(詐欺)、私はとても優しい人間なので、まんまの音が出せるというか、これさえあればリリース曲と同じ音が即使えるサンプルパックをリリースします。



私の思い浮かべる90’sなテクノサウンドとかっててっきりすでに誰かがサンプルパックで販売してるもんだと勝手に思い込んでたんですが、いざ作る段階でいくら探しても存在しなかったため仕方なく自分で作るはめになったんですが、もしも売ってたら即買って作ったよ!!!という思いもあって、どこかの誰かがその手の曲作りたいってなった時に、あるじゃん、ってなれば良いなという思いもあり。



 


そして驚くことに、私は慈愛の心を持つ、にわかには信じられないほど非常に優しい人間なので、こういう雰囲気の音は出したいけど、こいつ(CRZKNY)に金を払うのはなんか嫌だな、、と思う人に対しても、今回は使用ソフトとかを公開してみた、という次第です。優しいですよね。。。。


そして、サンプルパックはいらないけど、ただただこの優しい慈愛に満ちた私にお金を振り込みたい人(多分これを読んでいるほとんどの方がそうだと確信していますが)は、paypayのQRコードを公開してるので、恥ずかしがらずに送金してくださいね。

こちらです⬇️




それでは皆様、良いDTMライフを。



追記:

※PayPayQRコードが読み込めず振込出来ない!とのご連絡いただきましたので、正しいQRコードに差し替えました。お手数おかけしました。これで、思う存分お金を振り込めるので、慈愛に満ちたこの世の奇跡であるこの私ことCRZKNYに皆様どうぞお気兼ねなくお金を振り込んでください🤑



 

さらに追記:サンプルパックリリースしました。




購入すると、


デモ曲と一緒にサンプルパックのDLリンクが記載してあるPDFもダウンロードされます。

PDFに記載されたリンクからサンプルパックを入手してください。


このサンプルパックには「101dogs on death」で使用したサウンドと同じものが収録されていますので、これを使用して独自のトラックを開発できます。


内容 :


[dog-001] .... [dog-101]


115BPM >>> 153BPM


[kick, Snare, Clap, Hat, Rhythm, Bass, Synth, Atmo…etc]


2.7GB / 975LOOP


Audio Format:WAV(24bit)

デモ曲はこのサンプルパックに収録されたサウンドのみを使用して作成しています。

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