CRZKNY

2020年10月20日

20代のノイズミュージック

最終更新: 2020年10月24日

20代の頃、突然ノイズミュージックに目覚めて作り始めたんですが、きっかけは、同年代の人はそうだと思うんですが、サンレコでメルツバウのインタビューが載っていて、ノートパソコン(マック)一台でライブを演っているって書いてあったのを読んで、まんまと白のibookを購入しました。で、買ってはみたものの、そもそもまったく曲の作り方も何もかもやり方がわからないので結局、適当にエフェクトをかけて音をストレッチして、とにかくうるさくするということをやっていました。

きっと、親がそんな息子の姿を見たら泣いてしまうんでしょうが(怖くて)、運良く私は一人暮らしだったため2年ほど延々とそんなことを続けていました。なんか、パソコン一つでなんでもできる、みたいなのがかっこいいと思ったんですよね。。。因みに私が作っていたのはノイズの中でもカテゴライズ的にはジャパノイズタイプの音ではなく、デジノイズとかテクノイズと呼ばれていたジャンルだったので、今聴くとペラッペラで高音がキンキンに鳴っていてすごく不快な音の塊で、昔作ったにしてはまぁなかなかいいんじゃない?といった感想。。。まぁその程度なんですけど。

上記したサンレコと同時期?くらいに、スタジオボイスでノイズ特集があり、その2冊はとても直接的に刺激を受けました。ボアダムズのアイさんのロングインタビューとか、ディスクレビューも片田舎では見たことも聴いたこともないようなものばかりで、レビューとかを読みながらその盤の音を勝手に想像しながら作ってました。のちのち歳を重ねた後に実際の作品を聴いた時には当然、おいおい、全然違うじゃないか、とびっくりしました。頭の中で鳴ってた音と違うじゃん!って。

「あー、パキッパキな狂人には憧れるけど、私は憧れている時点でただの凡人だなー」と当時からよく思って自分の才能の無さを悲観していたものですが、後年、そんな狂人達に軒並み「狂人」の称号をいただくようになるのですから、私の人生も捨てたもんじゃないな、と今は自分を慰めています。

因みに、パソコンで音を作り始めるきっかけになったメルツバウは50枚組を買う程度にはファンだったんですが、私が『MERIDIAN』というアルバムを出した際のリリースパーティーにブッキングしようとしたところ、「会場が完全禁煙じゃなかったら出ない」という、とてもありがたいお言葉を頂戴したので共演はついぞ叶いませんでした。もうこれからも共演する機会はないんじゃないでしょうか。

と、そんなこんなでノイズのせいで20代の数年を良質なドブに捨てていた私ですが、よく考えると今作っている曲の作り方は9割がたこの頃覚えたことだったりするので、CRZKNYって大器晩成型なんだね、と思ってポジティブに生きてます。

色々、当時聴いていた名盤(好きで聴いていた基準)を紹介しようと思っていたんですが、またそれは追々書いていくことにしようかなと。